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加工技術
当店での加工技術の工夫
全自動加工機械の発達した昨今、加工技術に差は出ないといわれるようになりました。
ある加工機器メーカーの謳い文句に「加工はパート・アルバイトに任せてベテランは売り場へ」というようなものもありましたが果たしてそうでしょうか?
ちょっとした工夫と手間を加えれば、同じフレームと同じレンズで作った同じはずのメガネでも、実は大きな違いが出来てしまうのです。
■ アンダースッキリ加工
特殊な技術で厚いレンズの下縁に出る白い全反射を減らしています
メガネを掛けた顔を他人から見られる場合は、やや下から見上げられることよりも、正面あるいはやや上から見られることが多くなります。
装用者がややうつむいた場合には、かなり上からレンズを見られることになります。
ということは、近視度の強いかたのレンズの下縁の白い全反射が他人から見られた場合は、より目立ってしまいます。
白い全反射が目立ってしまえば、レンズはより強度に感じられてしまいます。
左右共にSph-6.00、レンズレイアウトは左右対称です。
右眼レンズ(向かって左)は、全自動加工機(NIDEC LE-9000SX)のオート加工
左眼レンズ(向かって右)は、アンダーすっきり加工を施しました。
レンズ下部の白いウズ状の反射が少なくなっているのがわかります。
中等度のレンズでもこれだけ違いますので、強度になるとさらに違いは顕著になります。
白い全反射を少しでも目立ちにくくする加工(アンダーすっきり加工)を開発しました。
開発者は→「こちら」
当店はこの「アンダーすっきり加工」の技術を習得しています。
この技術を施すと、レンズ下縁の白い全反射が少なくなりますから、
外見上では実際の度数より弱度に見えます。
ですから、他人から見られた場合の印象が良くなります。
ウスカル枠に、この技術を合わせれば、さらに白い全反射がグッと少なくなります。
■ ひずみの少ない加工を心掛けています
左右共にSph-0.75のウレタン系プラスチックレンズ、レイアウトは左右対称です
偏光ひずみ計を使うと、応力集中によるひずみが、レンズ面に模様として現れます。
右眼レンズは、全自動加工機(NIDEC LE-9000SX)のオート加工にて、
智金具の合口に隙間が出来ないギリギリのサイズに玉摺り加工したものです。
左眼レンズは、同じく全自動加工機(NIDEC LE-9000SX)にて、ヤゲンカーブ調整などの後、手作業でひずみ取り調整をしたものです。
わずかにひずみが残りますが、完全になくすとレンズが外れやすくなります。
プラスチックレンズでは、応力集中によるひずみは避けられません。
完全になくすとレンズが外れやすくなってしまいますし、気温の変化でもレンズ体積は微妙に変化しますので、
「冬にはひずみがなくても夏にはひずみが出る」
「夏にひずみがない場合、冬はレンズが外れやすい」
という現象が起こり得ます。
クッション性のある両面テープで固定する方法もあるのですが、
汚れが付着しやすくなったり、接着剤がレンズ面に付着すると拭き取りが面倒です。
周辺部には少々ひずみが出ていても、中心部にさえ及ばなければ大きな問題にはなりません。
とはいえ、ひずみがあるということは、レンズにもフレームにも余計な負荷が掛かっている状態ですから、
ギリギリまで少なくしたいものです。
近年、全自動加工機の精度は飛躍的に向上しましたが、最終的なサイズを判断するのは人間です。
そして、実のところ、このサイズ決めというのは結構アバウトです。
上に紹介した画像の右レンズは、ギリギリのサイズまで削ったものですが、恐らく外周で0.2~3ミリ程度これより大きくなっても、ネジの締め付け具合ひとつでフレームの合口には隙間が空かずに取り付けられると思います。
(当然、ひずみはさらに増えます。)
自動加工機の仕上がりの後、
「偏光ひずみ計を覗いて 応力集中の起こっている場所に少し手を加える」
というほんのひと手間で、仕上がりは大きく変わるのです。
■ レンズレイアウトのひと工夫
レンズには光学中心と呼ばれる光学的な中心があり、そこ以外を視線が通るときにはプリズムが発生します。
斜位矯正の場合は、このプリズムの作用を意図的に使い、視線のズレを矯正しますが、意図しないプリズムの発生には気を配らないといけません。
上図の黒い線は、視線が光学中心を通っていますが、
少し目を下方に動かすと、中心から外れたところを視線が通ります。
眼科で発行される眼鏡処方箋には、
PD(OCD)という左右の目の瞳孔間距離(光学中心間距離)の項目はありますが、高さの指定はありません。
光学中心の高さは、フレームが決まって初めて決まるものですから当然のことです。
ところが、多くのメガネ店の現場では、この光学中心の高さは適当に決められてしまいます。
フレームと目の高さの関係は人それぞれののはずですが、測定もせず、
「データムライン(高さの中心線)より上方へ2ミリ」
と一律に決められていたりするのです。
左右の目の高さが同じで、レンズの度数も同じならば、それでも大きな問題にはなりませんが、左右に差がある場合は、実は大きな問題となります。
左右の眼の屈折度数に差があるものを「不同視(ふどうし)」と呼びます。
眼鏡専門学校で使われる教科書(「眼鏡士読本」など何冊かあります)などでは、
不同視を矯正すると網膜像の大きさに差が出来て「不等像(ふとうぞう」」を起こし、 一般的に容認できる差は概ね2.00D・・・
などと書かれていたりします。
しかし、 網膜像の大きさは、屈折異常の原因が軸性か屈折性かで変わってきますし、
不等像が問題になるよりも、左右のプリズム差による光学的斜位のほうが障害になります。
例えば、
右の屈折度数 Sph-1.00
左の屈折度数 Sph-3.00
で、 上図のように視線を下方に向け、レンズ面で光学中心よりわずか5ミリ外れた場所に視線が通った場合、
P=DH/10(プレンティスの近似値計算式)により、
右目は0.5△、左は1.5△基底下方のプリズムを受け、その差は1.0△となります。
これは1.0△の上下斜位が起こっていることに相当し、目にとってはかなりの負担となります。
光学的な斜位の発生は、適切なフレーム選びとフィッティングをした上で、
レンズレイアウトをしっかり取ることでかなり防ぐことが出来ます。
■ 仕上げにもひと工夫しています
シリコンコーティング
白枠で囲まれたNAGONと書かれたデモレンズが回転しています。
丸メガネの場合、サイズが少しでも小さいとレンズが回転します。
特に真円の場合は回転しやすく、適切なサイズに削っても、レンズ拭きの際に力を入れると回ってしまいます。
そこでひと工夫。
フレームの溝の中にシリコーンの皮膜を作り、滑り止め、回転止めとして使用します。
このシリコーンの塗布は、前述の応力集中ひずみの軽減にも役立ち、
特にひずみの出易い偏光レンズの場合に威力を発揮します。
こんな加工もお手のもの
このフレームは「Zeridge」という57□17というかなり大きなメタルフレームです。
サイズが大きいと強度レンズの場合は厚くなりますが、
上のフレームのようにレンズを小さく加工すれば、立派なウスカルフレームに変身します。
画像のメガネでは46□25となっており、やや左右の眼の間隔の広い方にマッチします。
この加工の場合も、シリコーンを塗布することで、ひずみが少なくしっかりと固定できます。
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