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近視の進行予防について(硫酸アトロピンの点眼)

このページは、以下のサイト、さらに新しい論文も参考に記載しております。
5 year Clinical Trial on Atropine for the treatment of Myopia
(PDFファイルがダウンロードされます)

■ATOM-1 study

  1999年から2004年までの5年間、6歳から12歳の屈折度数-1Dから-6D (平均値: -3.5D)の近視の子供400人を、プラセボ群と1%硫酸アトロピン点眼薬の投与群に分けて、二重検盲法により、近視の進行を比較する大規模な臨床試験が行われました。
最初の2年間は、毎日決められた点眼剤を使用し、その後1年間は点眼を止めて経過観察をするという臨床試験です。

 1%の硫酸アトロピン点眼薬は、小児の斜視弱視の検査等に使われる強力な調節麻痺と散瞳の効果を持つ薬剤で、ほぼ完全に調節(ピント合わせ)、縮瞳(黒目が小さくなる)を制限するという過酷な治験でした。
治験に参加した子供たちは、遠近両用レンズや近用鏡(いわゆる老眼鏡)、遮光眼鏡(サングラスなど)を必要としたと思います。

 結果としては、1%のアトロピン点眼薬を受けたグループの近視の進行は、ほぼ抑えることが出来ました。
しかしながら、点眼を止めた後のリバウンドが激しく、副作用が大きい割には効果が少ないと判断されることとなりました。

■ATOM-2 study

 2006年から2012年まで、同じく6歳から12歳の近視の子供400人に対して、0.5%、0.1%、0.01%の濃度の硫酸アトロピンを点眼して、同じく最初の2年間は点眼治療、1年間は経過観察、経過観察中に0.50D以上の近視の進行が見られた場合は、さらに2年間、0.01%の硫酸アトロピンを点眼する再治療が行われました。

 結果は、濃度が高いほうが近視抑制効果は高いものの、リバウンドも大きく、5年間の臨床試験の終了時には、0.01%の濃度の点眼群がもっとも近視進行が抑制され、散瞳や調節力の低下などの副作用も少ないということがわかりました。
経過観察中に0.50D以上の近視進行が見られ、再治療を開始した子供の割合は
0.5%アトロピン点眼群 : 68%
0.1%アトロピン点眼群 : 59%
0.01%アトロピン点眼群 : 24%
となりました。

■ATOM-J study

 京都府立医科大学病院を中心に全国の7大学病院(旭川医科大学病院,大阪大学医学部附属病院,川崎医科大学附属川崎病院,京都府立医科大学病院,慶應義塾大学病院,筑波大学附属病院,日本医科大学付属病院)が協力して、6~12歳の男女学童168人(等価球面度数が-1.00~-6.00D)を、0.01%アトロピン点眼群とプラセボ群にランダムに割り付け、両眼に1日1回、2年間点眼し、近視の進行程度が比較されました。
サブ解析を含めた詳しい結果は、今後明らかになる予定とのことですが、一部結果が報道されております。
0.01%アトロピン1回/日点眼群(84人)の2年後の屈折度変化は-1.26D、
プラセボ1回/日点眼コントロール群(84人)の2年後の屈折値変化は-1.48Dで、両群間には有意差(P<0.001)を認めたということです。

 現在は、一部の眼科にて自費診療で0.01%硫酸アトロピン点眼薬を入手できますが、今後、低濃度アトロピン点眼薬が承認され薬価収載されれば、保険診療として受けられることになります。 

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