現在、一般的に市販されているパソコン用と謡われているメガネは、大雑把に言うと3種類に大別されます。
1)カラーフィルター的なレンズ
通信販売などでもよく販売されていますが、
レンズに特殊な(?)色が付いているパソコン用メガネで、度が入っていないものです。
現在主流となっている液晶モニターの輝度(表面輝度200〜500カンデラ/cm2)では、
眩しさを感じることは少ないと感じますが、
パソコン画面を見ていて、眩しさを感じる方には有効な場合があると思います。
しかし、当然のことながら色調が変わりますので注意が必要ですし、
同濃度に染色した普通のプラスチックレンズとの公正な比較実験というのは
行われていないようです。
2)無色特殊フィルターレンズ
レンズに色が付いていなくて、度も入っていないものです。
レンズに細かい蜘蛛の巣のようなフィルターが入っているものや、
レンズのコーティングで「ブルーライト」と呼ばれる短波長の光をカットするものなどがあり、
それが目の疲れを防ぐ効果を発揮するというものです。
電磁波をカットするというレンズもあります。
しかし、販売元による
「このレンズを使った○○人と、裸眼のままの○○人で比較実験をやったら、使った人の方が目の疲れが少なかった」
という実験結果だけでは、公平な判断を下せる根拠には成り得ません。
プラセボ(暗示)効果を排除した二重盲検法を行い有用性を証明した実験結果は いまのところ存在しておりません。
3)パソコン対応累進レンズ
いわゆる「境目の無い遠近両用レンズ」のバリエーションになりますが、
遠近両用レンズに比べ、パソコン用の中間距離を広く確保したレンズ設計になったものです。
「中近両用」「近近レンズ」「デスクワーク用レンズ」といった種類のものになります。
また最近、30歳前後から上の方の、パソコン作業用にも使える常用メガネレンズということで、
ごく弱い加入度(1D程度)を持たせた累進レンズも発売されました。
しかし、これらのレンズは、
「遠くが良く見える度数よりも、やや弱い度数のところで画面を見ることになるから、
遠くが良く見える度数でパソコン作業をするよりも楽な可能性が高い」
という程度にしか過ぎません。
視線の通る位置の微調整により、ある程度の度数調整は行えますが、
基本的にはレンズまかせとなり、それぞれの方の視環境に厳密に合わせたものではありません。
また、老眼以前の方の場合は、レンズのどの位置で見てもパソコン画面ははっきり見えますので、
レンズのどの位置でパソコン画面を見ることになるのかがわからないということにもなります。
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