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斜位と斜視

■ 正位・斜位・間歇性斜視・斜視

正位と斜位・・・両眼で遠いところにある目標を見ていて、片眼をおおったとき、おおわれた眼はその眼の固有の位置をとる。これが臨床的に用いられる眼位で、両眼の視線が正しく目標に向かっている場合を正位、視線がずれるものを斜位および斜視という。

斜位・・・斜位は両眼を開いて見ているときには、両眼の視線が集中しているが、もともと眼の位置が完全に正しくないため、両眼を開いた瞬間には視線が目標に集中しない。しかし、そうするとものが二重に見えるので、融像を働かせ、視線を合わせてものを1つに見る。斜位の程度が強いと、融像の努力をいつも強く働かせる必要があるので眼が疲労し、ときには融像を保つことが無理になって視線がはずれ、ものが二重にみえるようになる。

斜視・・・両眼視の機能が不良であれば斜視になる

参考文献:「屈折異常と眼鏡」医学書院発行


つまり


右目と左目の視線がずれている場合、この状態が斜位あるいは斜視となります。

視線にズレがあっても、融像という力が働き、視線を揃えて両眼視(同一視)できる場合を斜位といいます。
(赤線の状態)
テレビ番組の「たけしの本当は怖い家庭の医学」や「ためしてガッテン」で取り上げられ
一躍有名になった「隠れ斜視」というのは、この斜位のことです。

融像が働かず、両眼視の不良なものを斜視と呼び、区別されます。

また、その両者の境界線にあたる状態もあります。
「間歇性斜視」というもので、普段は両眼視が保たれ「斜位」であるが、
何かの原因によって「融像」が阻害されると「斜視」になるというものです。

上図のように視線が外側にズレている場合は外斜位といいます。
融像を働かせるためには、内直筋を収縮させて輻輳という作業が必要ですので、
場合によっては、輻輳性の眼精疲労を自覚することもあります。
疲労のために、輻輳が行われなくなると、複視を起こすことになります。
また輻輳性の調節が起こり、斜位近視が発生することもあります。

<<斜位近視についてはこちら>>

●多くの方は斜位があります

実際に屈折矯正の現場において、眼位の検査をしますと、
5~6割くらいのかたに、程度の差こそあれ眼位のズレは見つかります。
病気と言うよりも、生理的なズレと言ったほうが正しいでしょう。

そして、大きくわけると、眼が水平方向にズレる水平斜位と 垂直方向にズレる上下斜位があり、
そのズレの量にもよりますが、場合によっては、ものが二重に見えてしまったり眼の疲れを感じることがあります。
そして、私たちの眼は、水平方向のズレには融像力が強いのですが、垂直方向には弱いという特徴があり、
特に上下斜位では眼精疲労の原因になります。

●斜位の矯正

斜位は、その量が大きければ手術の適応になりますが、その割合は余り多くはないです。
一般的にはメガネにプリズムという度数を入れて矯正できます。
ただし、斜位の測定と矯正ができる医療機関やメガネ店は非常に少ないです。

眼位は、プリズム量に応じて本来のズレた位置(安静位)に近づきます。
つまり、外斜位の場合は眼が外側に開き、内斜位の場合は眼が内側に寄ることになります。
現実的には、プリズム量が小さければ、見掛け上わからないことが多いですが、
大きな量のプリズム矯正をするときには、この点は考慮しなければいけません。

ではどの程度のズレが発生するかというと、これは計算できます。
3△(プリズムディオプトリー)を矯正するとしますと、通常、3△の矯正ではプリズムを左右に振り分けることになると思われますので、 片眼では1.5△の矯正で、0.8594°のズレとなります。
瞳孔の中心の移動距離は、角膜頂点と回旋点の距離を13mmとすれば約0.195mmとなります。
この程度なら、まず見掛け上、視線のズレを感じることは無いと思いますが、
例えば10△の矯正ならどうでしょうか?
片眼5△の矯正でズレは2.862°となり、瞳孔の中心の移動距離は、約0.65mmになります。
このくらいになると、ズレを感じることになるかもしれません。

プリズム矯正は、得られるベネフィットは大きいですが、
このようなデメリット(?)と言いますか、不都合な真実と言いましょうか、こういう側面もありますので、
視線のズレを自覚されているかたは予備知識として覚えておいていただけたら良いかと思います。


参考

両眼視機能検査 斜位(眼位)・融像検査
当ホームページにて斜位とその検査について詳しく解説しておりますのでご覧ください

~斜位近視~

~隠れ斜視~

ブログ Tag 隠れ斜視
当店公式ブログでの斜位に関する記述も併せてご覧ください

視覚機能研究会HP
両眼視をはじめ、さまざまな視覚機能の問題に取り組む スペシャリストのサイト


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