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深視力検査のコツ

深視力検査のコツとは

 インターネットで検索すると「深視力検査のコツ」と称して以下のような記述がありました。

1.先に行なう人があって近づけるなら、検査官の後ろから少し早口でカウントし覚える。

2.たしか反転する時にカチッとかガチだか、小さい音がしていたと思うので、それを聞き漏らさない。

3.怒られない範囲で、立ち位置を数センチ横によるのはどうでしょうか?

 以上に付きまして意見を述べさせていただきますとしたら、

1)前のかたの終わった位置からスタートするので、スタート位置がランダムです。
カウントをスタートする位置が間違っていたら、元も子もありません。

また、最も前、最も後ろのポジションからカウントする、
というアドバイスもあったりしますが、前と後ろのポジションがわかるなら、揃った瞬間もわかるはずです。
無駄なことはやめるべきです。


2)自動車教習所でも、こういうアドバイスをするところがあるようですが、
これは
非常に危険な方法です。
深視力計の構造上、反転する際にレールとランナーの擦れる音が微かにするのは事実ですが、
しかしながら、試験会場のざわついた環境の中で、その音が聞き取れるとは限りません。
そもそも、試験会場の機械からどんな音が出るのかご存知ですか?
誰かの足音や衣擦れの音など、他の騒音と聞き間違えるなどしたら悲惨ですし、
もしかしたら、列の後ろや、隣の列の講習者が大声でおしゃべりしていたり、検査中に館内の案内アナウンスが鳴り響くかもしれません。
不確実な博打に掛けるのはやめたほうが賢明です。


3)一窓式のリアル2.5mの機械なら、まあ「有り」かもしれません。
微妙に左右に動きますので、真中に来た時が3本の桿が揃った時です。
しかし、顔の位置を固定されたり、二窓式ミラー折り返しの疑似2.5mの機械ですと、
ほとんど横に寄ることは無理です。

 残念ながら、上記の「コツ」は真に受けないほうがよろしいかと・・・

さらに以下のような「コツ」も。

もちろん、三桿法の原理はご存じかと思いますが、3本の棒が並んだ場合
・3本の長さが同じくなる。→実は、並んでいない場合は微妙に長さが違う。
・太さが同じくなる。
・3本のピントが均等に合う。

答)確かに桿が移動すると長さは変わって見えますが、下図のように機械内部で、桿の上下が見えないような構造になっていますので、 現実には長さの違いを判断することはできません。

・太さが同じくなる
・3本のピントが均等に合う。
それはその通りですが、 深視力の苦手なかたは、それがわからないので、「コツ」を求めて彷徨っているのです。

この3枚の画像は、固定したカメラで三桿計の内部を撮影したものです。
ステレオカメラでは無く、普通のカメラですので、平面に映っています。
上は、真ん中の桿が12cm手前、中は、3本の桿が揃ったとき、下が、12cm奥に行ったときの画像です。
真ん中の桿の太さ、色の密度(濃淡)が微妙に違っているのがおわかりいただけますでしょうか?
これを見分けるのが「深視力検査のコツ」だと主張しているサイトが多いですが、
それは決して間違いではないのですが、正しい「立体視」を使った奥行知覚ではありません。

深視力検査に合格するには?

 遠近感、立体感といった感覚は人によって違います。
3本の桿の
・太さが揃う
・黒の密度が揃う(色が揃う)
・ピントが揃う
などで判断しているかたもいらっしゃいますが、この方法では、両眼視における三次元の視的認識である「立体視」を有効に使っているとは言えません。

 私などは、3本の棒が三角柱(三角形でもよいです)を形成しているのを、頭の中で立体的・俯瞰的にイメージしています。
三角柱の頂点が、手前や奥に行ったり来たり、前後に伸び縮みしている感覚と言えばよいでしょうか。
三角柱が面になった瞬間が、3本の桿が揃った時です。
深視力検査のコツというのは、この「立体視」を正確に使うことに尽きます。
正しい「立体視」が出来れば、深視力は自ずと見えてくるものです。

立体視について詳しくはこちら

 尚、ピントが揃ったタイミングを判断基準とする場合の最も基礎的な準備ですが、ちゃんと2.5m先にピントが合ったメガネを掛けていないことには始まりません。
リアル2.5m式にしろ、ミラー折り返し式の機械でも、固定された両端の桿までは2.5mあります。
ということは、「遠点」が2.5m以上先に無いとピントが合いません。
すなわち、完全矯正値(無調節の状態で平行光線が正しく網膜上に焦点を結ぶ状態) より0.40ディオプトリー以内の雲霧でないと、2.5m先にピントは合わない計算です。
多くの近視のかたは、0.50D以上の雲霧をされた「弱い」屈折状態のメガネを掛けています。
乱視の度数や軸度もいい加減なことも多いです。
所先生の「低矯正のススメ」の影響もありますし、検査方法の未習熟から、完全矯正値を得ることが出来ないので、 「弱めにしときますね」とお茶を濁すパターンも多いと思います。
「コツ」も大事ですが、こういった準備も怠ることの無いようにご注意ください。 



◆ あなたのお近くで深視力検査のできるメガネ店は? 

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ご注意

多くの方が両眼視機能を考慮した眼鏡や練習により深視力検査に合格できるようになるのは事実ですが、斜視や矯正視力の低下などにより両眼視機能を改善することができない場合があることもまた事実です。
必ずしもすべての方が深視力検査に合格できることをお約束するものではありません。


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